Monday, May 29, 2006

グリコワンタッチカレー(復刻版)


「グリコ ワンタッチカレー(復刻版パッケージ)」というのをネットで発見しました。

黄色いカレーで,昔の給食のような味ということです。懐かしいですね。

なんでも,江崎グリコ曰く,「1960年(昭和35年)ころは、カレーといえばカレー粉の粉末か、包丁で削って使う大きなブロック状のルウが一般的。(中略)そんな中、そのまま鍋に入れても溶けるワンタッチカレーは、手軽さとおいしさで話題。大好評でした」(同社)とのこと。

グリコは当時,板チョコの型を利用してこのルウを製造していたとのことです。製菓会社ならではですね。でもそのおかげでカレーが家庭に一気に浸透することに・・。銀座の高級"ライスカレー"の時代からコモディティ化へのきっかけになった商品ということでしょうか。

「板チョコの型でカレールウ」というのもすごいですね。本田技研の四輪進出当時の「チェーン・ドライブの自動車」,といった感じでしょうか。自社の既存技術/資源をなんとか転用して新機軸を打ち出すーー。そんな企業フロンティア精神。大変勉強になります。

ちなみにこのワンタッチカレー,ネット販売で買えます(グリコのWebサイト)。

実は私,黄色いパッケージの辛口(といっても今となってはそんなに辛くはないとのこと)を注文してしまいました。

グリコ直販とのことで注文単位は最低10箱。1箱で12皿もできてしまいます。とても食べれません(-_^;)。そこで今度,どなたかご興味ある方に少しもらっていただこうと思ってる次第です。

このワンタッチカレーの歴史はこんな感じです(グリコのWebサイト)。

結構バージョンアップしてることを知り驚きです。とはいっても味は今でも昔風の懐かしいものらしいです。それとレトルト商品も発売されていたとのことなのですが,私は見つけることができませんでした。残念です。(情報:レトルトカレー.com

品物の到着,今から楽しみです。どんな具を入れたらよいのでしょうか。やはり今どきの高級ビーフは似合わないですよね。薄くてぺらぺらの「豚の細切れ」ですね。昭和の味,楽しんでみようと思います。

Saturday, May 13, 2006

人気急上昇中のビデオ共有サイト


今週の【US NEWSの裏を読む】はこんな記事となりました。

新たな巨大テレビ局?それとも無法地帯?---大ブレイクしたビデオ共有サイト『YouTube』成功の理由と課題掲載ページ
タイトル少し長かったですかね?

GW明けの第1週目でしたが,少し飛ばしすぎのスケジュールで,やっとこさで原稿書き終わりました。前回の「MySpace.com」(記事)の続編のような形ですが,このYouTubeも今,すごい勢いでユーザー急増中です。

ここ最近,試しにここに映像ファイルをアップロードしていたのですが,これがすごく簡単。驚きです。この簡便さがうけているようで,映像をとりまくコミュニティが形成されています。それも,米国の雰囲気ふんだんに醸し出す自由奔放な世界です。

「どのビデオがたくさん観られているのか」といったランキングに加え,「評価が一番高いビデオは?」「最も話題になっているビデオは?」といったランキングもあり,なかなかおもしろいです。

これらはYouTubeのスタッフが選抜しているのではなく,あくまでもシステムが自動でランキングしています。こうした,人の手を介さない手法で人々の関心のあるものがピックアップされていくという仕組みはこれからのメディアの在り方のようで大変興味深いです。

もちろん開放的な雰囲気なことからYouTubeには何でもありです。テレビ番組/映画を違法コピーした著作権侵害コンテンツやポルノ映像など・・といった具合。

前回の記事のMySpace.comと同じことがここでも起こっているというわけです。いわゆる日本でもよく言われる「ネット社会の悪」の部分です。しかし,どういうわけか,米国ではこの「悪」に対する反応が日本よりは鈍いような気がします。ともすれば「野放し」とも思えるような・・・。

これはあのかつてのNapsterについても言えるのかもしれません。訴訟によって市場から追放されるまでの数年間,Napsterは違法コピー音楽共有の温床になっていました。なんで米国ってそうなの? と思うのですが,これは梅田望夫氏の著書「ウェブ進化論」(私の関連ブログ記事)の一節を読むと氷解するような気がします。以下少し引用します。

日本の場合,(インターネットの)インフラは世界一になったが,インターネットは善悪でいえば「悪」,清濁で言えば「濁」,可能性よりは危険の方にばかり目を向ける。良くも悪くもネットをネットたらしめている「開放性」を著しく限定する形で,リアル社会に重きを置いた秩序を維持しようとする。 (中略) 米国が圧倒的に進んでいるのは,インターネットが持つ「不特定多数無限大に向けての開放性」を前提に,その「善」の部分や「清」の部分を自動抽出するにはどうずればよいかという視点で,理論研究や技術開発や新事業創出が実に活発に行われているところなのだ。--ウェブ進化論」=梅田望夫著(筑摩書房)

なるほど。と思ってしまいます。まさにGoogleに代表されるような企業の活動がこれにあたるのでしょう。話を戻しますが,あの当時,Napsterが広まったことで,音声ファイル圧縮フォーマット「MP3」や「PtoP」通信をはじめとする技術のイノベーションがありました。

そのころの音楽メディアはCDが中心。パソコンに音楽ファイルを保存するというのは,Napsterがなかったらこれほど急速に普及しなかったかもしれません。

その後には,アップルの音楽ダウンロード販売や,iPod,フラッシュメモリ・プレイヤー,そしてau/ドコモ/avex/オリコン etc.などが今展開している携帯電話向け楽曲販売などとつながってきたのだと思います。

何パーセントか(あるいは50%以上でも)違法性があるからといって,即座に全面否定しないというのが米国流のようです。少しでも将来につながる技術革新の可能性があれば,それを検討する,あるいは市場がどう育つのかしばらく見る。そんな姿勢が潜在的にあるのかもしれません。

もちろんその過程では人々あいだでさまざまな意見が飛び交い,激しい議論がなされて,やや面倒です。結論の出し方が少々遠回りで迅速な方法ではないとも思いますが,それは民主主義の宿命なのかもしれません。

◇  ◇  ◇  ◇  ◇  ◇

以上,実は先日,なかはらさんからいただいたコメント&メールの内容を熟考して,こんなブログ記事に至りました。少々自分の考えの方向性について悩んでいたのですが,すっきりしたような気がして感謝してます >なかはらさん。

ネット社会には功罪がありますが,私は「功」の部分を見つめて,世界で起こっている最新動向をレポートしていければと思っています(とまあ,そんな堅苦しいものではないのですが,技術者の方などに気軽に楽しんでもらえる読み物を提供できればと思ってます)。

Friday, May 05, 2006

IKEAは家具界のユニクロ?


スウェーデンを本拠地にする家具メーカー「IKEA(イケア)」。日本への本格参入の第1号店がオープンとなりました(Webサイト)。場所は千葉県船橋で,あのスキードーム「ザウス」の跡地です。

店舗は巨大(写真)。ショールームに飾ってある家具を見て気に入ったら,セルフサービス・エリアで自分で品物をピックアップ。レジで精算するというシステム。ほとんどの商品は組み立て式で,自分で車で持ち帰るというのが基本。

その分お値段を抑えているとのことです。店内にはカートや,ショッピングバッグ,メモ用紙(ショッピングリスト)と鉛筆,メジャーなどが置いてあり自由に使えます。メモは商品がどの棚のどの列に置いてあるのかを記入するもので,これなしでは効率よく買い物できません。

しかし,セルフサービス・エリアはあまりにも大きいです。吹き抜け3階の巨大倉庫。ここで客に商品をピックアップさせるとは驚きの発想です。。

そんなアイディアはなかなかいいかもとも思ったのですが,現時点では日本市場ではなかなか難しい面もあるのではと思っています。IKEA,まだまだではないでしょうか。以下に細かな感想まとめてみました(長いです,お時間のある方のみどうぞ)。

  1. 初期のユニクロ戦略?
    IKEAの家具って,基本的に白/木目の商品が多く,どのショールーム・コーナーに行ってもあまり変わり映えなく,「え,ここってさっき見なかったっけ」とデジャブ感覚に陥ります。

    しかし商品は確かにお安く,悪いものでもありません。通販でいえばディノスよりはよくはないが,ニッセンよりはちゃちでないといった位置付けでしょうか。すべてがシンプルで,それなりの今どき感はあります。ただ特に変わったものやそんなに洗練されたものはありません。ちょうどユニクロといった感じなんでしょうか。昨今のファッション誌にあるようなモダン・インテリアを求める人には不向きと思います。

  2. 本当にみんな持ち帰ってるの?
    「ほぼすべての商品は組み立て式で持ち帰りが基本」(IKEA)。というけれど。本当にそれって可能?って疑問。例えばベッドやソファはまず無理です。特に普通乗用車では。それと混んでるときは,車の置き場は臨時駐車場になってしまい,そこまでバスでの送迎。つまりちょっとしたパーク&ライドです。問題はそこまでカートを使わせてもらえないところにあります。

    ん〜日本人あまり肉食ではないのでそんな遠くまでかついで運べませんー! 実際の光景をみても北米のホーム・ショップみたく元気に品物かついでいる人は皆無でした。

  3. 「日本市場独特の商品展開」(その1)
    日本人に合わせた品揃え,っていうけれど・・・
    本当にそうなのでしょうかと疑問でいっぱいです。例えばシステムキッチンの高さ(寸法状の)。明らかに背の高い北欧人向けの商品。北米のシステムキッチンよりも台が高く感じました。日本のお年寄りにはまず無理でしょう。北米のシステムキッチンでも日本人にはなかなか大変と言われてます。まあ使えないことはないのですが,例えば,背の低いお年寄りは肘が手首より下あるいは水平状態になってしまうんです。そうするとシンクで作業してるときなど水滴が肘を伝わって服や床にポタポタと・・・。

    こんな細かいことって実際に生活してみてはじめて分かることなのですが,ショールームでは当然分かりません。日々の生活でかなり「不快」要因になってしまう重要事項なのですが。

  4. 「日本市場独特の商品展開」(その2)
    店内には,インテリア小物を売っている「マーケット・ホール」というコーナーがあり,IKEAブランドのキッチン用品/カーテンなどが売られてます。しかし,例えばフライパンは,日本のものに比べ非常に重く,また浅いものがほとんどです。北欧では,ガスではなく電熱が主流だからでしょうか。

    また北欧の調理の主流はオーブンや鍋で,日本のような炒め物でフライパンを持ち上げて混ぜることはまずないのでしょう。油は浅く入れるソテーが主流で,揚げ物はあまりないので深いものはいらないのでしょう(ほんとうに日本の市場調査してるのかな,IKEAさん?)。

    カーテンですが,日本では,お隣が近いため,影さえも映らない「遮光率○○%」という商品が購入の目安の1つになってます。しかしIKEAには,そんなカーテンは一切ありません。お隣が100メートル以上離れている環境ではそんなこと思いもしないのでしょう。またカーテンのデザインもいまいちあか抜けないというのは私の気のせいでしょうか。変に東洋を意識したものもあるのですが,それはあくまでも北欧人の考えた東洋。そんな印象です。しかも薄く透けてるものを大量に並べてある。力の入れどころ間違ってる気がします。

そこそこ品がよく,質もよい画一的な商品を大量に売る,というのがユニクロの初期の戦略で,事実それが奏効してファーストリテイリングはかつてエクセレント・カンパニーと言われてました。ところがそれがやがて行き詰まり,ユニクロは,今,多品種/少ロット戦略。それでもなかなか苦戦しているようです(関連記事)。

北欧生まれの家具版ユニクロ。果たして日本でどこまでいけるのでしょうか。私としてはちょっとがっかりで,明日以降しきり直しです。世田谷通りのリサイクル家具店の方が安くてセンスよいものがある(常にではないですが)とも思いました。東急ハンズとディノスの商品も検討したいと思ってます。

今後どうなるのでしょう,IKEAさん。もっと日本市場を研究する必要があるのかもしれません。ザウスのようにならないことを祈ってます。

Monday, May 01, 2006

mixiの20倍以上,米国の巨大SNS


「mixiの20倍以上,7000万人超の会員を誇る米国の最大手SNS『MySpace.com』とは?」(掲載ページ

大型連休突入前の先週木曜日,こんな記事を書きました。知ってる人は知っている米国のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)最大手「MySpace.com」についてです。お時間ありましたらご一読ください。

日本最大手の「mixi」の会員数は,この3月1日現在で300万人。これでも十分すぎるほどの巨大コミュニティなんですが。。

このMySpace.comの場合,その会員数はなんと7400万人(まもなく7500万人に達しそう)。なんともカナダの人口3200万人の2倍以上。英国/フランス/韓国のそれぞれの人口よりも多い。

MySpace.comの会員数は今,毎月600万のペースで増え続けているとのことで,このままいけば年内には日本の人口とほぼ同じに・・・すでに日本の全男性あるいは全女性よりも多いし,さらに言えば,あと2カ月で日本の15〜64歳という,児童を除く就学/就労年齢の全人口(8300万人)を超えてしまいます(総務省 統計局の資料)。

こんなに会員数が多いわけですから,なんでもありです。ブログ,フォーラム,グループにはありとあらゆる人の情報があります。音楽,ビデオ,映画といったエンタメ・コンテンツが充実してるのもMySpace.comの特徴。著名なミュージシャンなどもいるそうです。ご興味のある方はお試しあれ!